アルバムセルフライナーノーツ第8弾「ひとつ」

壊れかけのテープレコーダーズ4thアルバム「broken world & pray the rock'n roll」メンバー全員による「セルフライナーノーツ」、本日7/8は8曲目「ひとつ」です。

本日はもう店頭入荷日、所謂フラゲ日というやつですね。既にご購入頂いた方々は実際のアルバムを聴きながらでも、ご覧下さい。どうぞ。


「ひとつ」セルライナー
by 壊れかけのテープレコーダーズ


44O
この曲のビートのニュアンスはモータウンの有名曲The Supremesのstop in the name of loveです。もうほぼそのまま使っています。

シンプルなグル―ヴでありリズムなので、意識したのは何年間か後、誰かがリズムなりをカットアップして使えるほどの正確でタイトで強力なグル―ヴです。自信あるのでどんどんサンプリングして欲しいです。

この曲に関しては、いつも近藤さんに言われるままだった各タイコのチューニングも自分でやりました。全曲中、一番理想に近いサウンドになったと思います。

歌とぶつからなく、なおかつセット全体プレイした時セットの各楽器が最高の音でなりつつも、サスティーンが揺れて音像がぼやけないようにバランスを取りたかった為、シンバルを叩きながらドラムのチューニングをするというかなり謎なやり方でチューニングしましたが結果とても理想的なサウンドになりました。

自分ではこの曲のレコーディングがおわった後このチューニング方法は大発明だ!(しきりに近藤さんに言っていた気がする)と一人でテンションあがっていたんですが、後々調べたら結構な方々が同じようなことを言っていて(例、ポンタさん)自分の無知に愕然とした次第です。



shino
ひとりで物思いにふける時、なんで右斜め上を見てしまうのでしょうか。
自分だけなのかな?



yusa
この曲は歌詞がとても好き、自分のオルガンのアレンジもよくできて、気にいっている。

余談ですが、この曲のボーカルテイクのお話、
先に小森がボーカル録りに入っていて、その日も小森にあてられていた日で、私は夜に少し顔をだすつもりで、きて早々レコーディング中何度か通ったGOKSOUNDの向かいにあるのぶちゃんでラーメンか食べて、休んでいたら、ちょっと今からゆさパートもとってみようとなり、私は後日気合い満々で望むつもりでいたが、まあとりあえず録るかととったのが、結局採用になったテイクでした。
メンバーも近藤さんもこれでいいんじゃない?と。私は「後日気合い満々」のつもりだったから、もっといいのがとれると思うから、とりなおしたいかも、といったのだけど、そこで近藤さんがぼそっといった一言に度肝をぬかされました。「よくならないほうがいいんじゃないかなぁ〜」。

今回はまたアナログレコーディング。デジタルと違うとこはいくつもある。その話は長くなるからほぼ割愛、いっこいうとしたら、前のテイクを残したまま、新たなテイクを重ねることができないんです(ですよね?)。
どういう音をとりたいか?どういう録音を残したいか?
今や技術がいくらでも発達して、ほとんどのことがあとから直せちゃうような時代だけれど。自分の感動するポイントは?それは全てが正確であることなのか?では、なにをもって正確といえるか?正確であることが感動するポイントなのか?
そういう堂々巡りのような考えに、録音のたび、必ずぶち当たる、
でもそれを何回か繰り返してきて、ようやく今回は自分たちの方向というか、
そういうのが見えてきたような作品でもある。それは録音だけの話じゃなくて、音楽はたまた人生をどのように捉えるか、というようなところにいくのだと思うけど。

まあ、最初からぐっときてなおかつ外さずにうたえればこんな御託を並べることはないんだ・・。

今ではとても気に入ってるテイクです。

komori
昨日44Oが「夜の果てへの旅」がこのアルバムの中で一番気に入っている、と書いていましたが、自分はこの「ひとつ」が一番気に入っています。甲乙つけがたいですが。というより、自身の作曲人生史上で、歌詞含め、最高傑作だと自負している楽曲。こういう曲ってなかなか作れない。僕の大好きなビッグ・スターに通ずるポップネスを、ようやく自分のバンドで出すことが出来た。

この歌詞でほぼ言いたいことの全ては言い切ってしまった感じがある。このアルバムに収められた全ての楽曲も、もしかしたらこの曲の大いなる「ひとつ」ということばに集約されるのかもしれない。描いていたのは、大きな一元論的な世界のイメージ。原初の世界像。この間、ジョン。レノンの「イマジン」と同じことをうたってるのかも、とふと思った。

ビートのヒントはモータウン、を独自解釈した英国のバンド達。ジャムとか。あとはスピッツの「愛のしるし」。この曲も実はモータウン調。アーバンなビート感覚を保ちつつ、あくまで楽器はワイルドにプレイ、というのがミ