アルバムセルフライナーノーツ第7弾「夜の果てへの旅」

壊れかけのテープレコーダーズ4thアルバム「broken world & pray the rock'n roll」メンバー全員による「セルフライナーノーツ」、本日7/7は7曲目「夜の果てへの旅」です。

昨年10月、東京造形大学学園祭野外ステージにて、二宮ユーキ君が撮影してくれていたライヴ映像と共にどうぞ。

「夜の果てへの旅」セルライナー
by 壊れかけのテープレコーダーズ


44O
この曲はKing CrimsonJohn Bonhamが加入したかのようなイメージとニュアンスでプレイしています。曲自体のイメージはKing CrimsonのThe Night Watch(暗黒の世界の元ネタのライブアルバム)というライブアルバムです。

ですが誤解を招くかもしれませんが、いわゆる件のプログレシッブロックといわれる音楽は何故かドラムとベースのパワー感、コシが入ったグル―ヴ感が足らない場合が多い気がしており、この曲がプログレなのかはおいといて、自分はアタマで他の楽器やメロディーとの絡みのフレーズを計算して構築しつつ、かなり強引で力技なプレイとグル―ヴを意図的に盛り込む事により、壮大でありつつも、現代的で生々しいグル―ヴになったと思います。

今回のアルバムの中で一番気に入っています。



shino
最近、夜の果ての近くまでたどり着く前に、夢の世界に行ってしまいます。



yusa
雰囲気がよく出せた。
歌詞にもでてくる群青〜黒の感じ、
夜の、外界の感じ、
この曲は中学生くらいの頃読んだ、吉本ばななだったと思うが、夜に海辺で焚き火をする話の映像が浮かぶ。
オルガンの音の処理(?)に、GOKSOUNDにあったテープエコーというものをつかわせてもらったんですが、私のテイクはアバンギャルドすぎて却下になりました。でも、面白かった!エフェクターは使わない、と思っていた信条が確実に揺れた日。



komori
タイトルはルイ=フェルディナン・セリーヌの同名小説から。セリーヌに関しては、3曲目の「エンドレスワルツ」と話が少し繋がるんだけれど、阿部薫の「なしくずしの死」というレコードがあって、それがセリーヌの小説のタイトルだってことから知って読み始めたのかな。確か大学1年か2年くらいの頃だから、もう10年も昔の話。当時はなんて読みにくい小説なんだと思ったものだけれど(笑)、不思議と何か引っかかるものがあり、今でもと時折読み返してみたりしています。

セリーヌは僕の中ではロックそのものなんだよね。世界に罵声を浴びせかける呪縛のことばたちの持つ、何にも向かわず、意味すらにも辿り着くことなく、噴出し炸裂し散り行く様が、自分の描くロック像に近くて。音楽に例えるとヴェルヴェッツの2ndoみたいな。夜の果て、深い闇の深淵っていうのは、きっと無分別な世界のことなんだよ。ユートピアなんかではなく、更地にされた現実。

ちょっと話が文学的になり過ぎてしまった。アレンジ的には、キング・クリムゾン「レッド」にもし収録されていたら、ということを念頭に入れ組み上げていきました。メインリフの箇所のメタリックさと、歌メロの箇所の叙情性のコントラスト。1人で曲書いてた段階では、もっとドアーズみたいな曲になるかと思ってたんだけど、随分ハードロックな曲に仕上がって、バンドって面白いなと思います。