2024年4月3日リリース (※3月22日ライヴ会場先行販売)
壊れかけのテープレコーダーズ 7th Album『楽園から遠く離れて』より
先行配信曲第2弾 「グロリア」の配信が開始しました。
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壊れかけのテープレコーダーズ
「グロリア」
作詞作曲:小森 清貴
編曲:壊れかけのテープレコーダーズ
録音ミックス:三木 肇
マスタリング:狩生 健志
写真:船木 和倖
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【歌詞】
「グロリア」
築き上げた城壁は 崩れ、今
囲い守ってきたものたち 壊されてく
ふいに訪れた終わりに 荒らされ、今
かけることばさえない夜 堕ちてゆく
諦めかけたその時に いくつもの花が咲いてるのを見た
僕は思い出すのだろう 来る夜明け
腐りかけたいつかの実り 土に還り
やがて、忘れ去られる程 遠い未来
うつむいて見たその先に 無数の花が咲き誇っていた
僕は忘れはしないだろう 栄光の日々を
口ずさむ声に 導かれし日よ
踊り出すように ともせよ、灯を
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【楽曲解説】
「グロリア」 未だ訪れぬ夜明けの為に
文:小森清貴(vo,gu)
2020年の追憶。
この「グロリア」という歌は、2020年春、最初の緊急事態宣言が発令された頃に書かれた。当時、決まっていたライブスケジュールは全て消し飛び、またライブハウスという場所が政治やメディアから槍玉に挙げられ非難をされるという痛ましく悲しい事態が蔓延していた時期だった。(因みに、例え事実とし科学的知見に伴う危険性があったとしても、あの時のようなスケープゴート的な報道の在り方のその醜悪に、今でも強烈な「違和」を覚える。この「違和」というものに関する話は、先に配信された「lost paradise」の解説に記載)
灯りが消されたライブハウス。不安、混乱、怒りや痛みが暗闇となり私達の現前を塞いでいたような時期。そんな状況下でも音楽にはまだ私達を灯りへと導かせる標があるような、そんな祈りがこの「グロリア」という歌となった。
(「グロリア」という語の和訳には「栄光」「偉業」「(キリスト教の神に対する)賛美」等があるが、私はこの語を広義な意味での「祈り」と解釈している)
それから、再びライブが行えるようになってからは、
幾度となくこの曲を演奏し続けてきた。
そして、2024年現在。
コロナ禍と言われた時代区分が、いつの間に、何を以てして、その終点を迎えたかのような様相へと変わっていたのか私にはよく分からないが、今や街や社会から、かつて「禍」と呼ばれたその面影のようなものは、すっかり薄まってしまったように思える。
そして、やがては消失へと向かってしまうこの薄まりの只中で過ごしていると、2020年の春に覚えた、あの不安、混乱、怒りや痛みのような感情を、ともすると忘れてしまいそうな感覚に陥ることがある。
ただ、「コロナ禍」と呼ばれた「禍」の面影が薄れたとしても、2020年代という時代に箍が外れたかのように立ち現われ始めた多くの「禍」は、現在進行形で私達の前途にあるはずの灯りを消し、進むべき標を失わさせ続けている。
だからこそ、忘れてはいけないのだということを、強く思う。
思い出す、ではない。
思いはまだここに、在る。
暗闇がそこにあるのなら、再び(何度でも)未だ訪れぬ夜明けの為に祈りを捧げ、日々を営み、標となる灯を探し歩み続けるという思いが。
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