アルバムセルフライナーノーツ 第1弾「15歳のポケット」

7月になりまして、いよいよ壊れかけのテープレコーダーズ4thアルバム「broken world & pray the rock'n roll」の発売が近づいて来ました。ここで発売に先駆け、メンバー全員による「セルフライナーノーツ」を今日から1日1曲ずつ、こちらに文章を掲載していこうと思います。そうすると9曲入りのアルバムなので、発馬日の7/9にちょうど全曲分のライナーノーツが完成するというわけです。

曲順通りに行きますので、ます本日7/1は1曲目「15歳のポケット」です。どうぞ!

「15歳のポケット」セルライナー
by 壊れかけのテープレコーダーズ


44O
バンドで作っている最中、小森が歌詞にもでているがグランジグランジと呪文のように言っておりました。そういう目指すべきものをこのバンドは話し合ったりしないので、メンバー各自の解釈があると思います。自分がこの曲で意識したのは初期PavementのGary youngのプレイです。

Gary youngはPavementのグルーヴを決定づけた立役者だと自分は思っており、そのタメのきいたプレイとメロディーに呼応しているかしてないかギリギリのフィルイン(ラリってただけかも)は最高です。何故か奇行ばかりとり立たされてGary youngのプレイ自体があまり注目されてない気もするのでここで自分がこのプレイを通して影響を宣言したいと思います。

もうひとつこの曲のグル―ヴのポイントはシンコペーション時の呼吸と歌い方にポイントがあります。自分はこの曲のように基本8フィールのときはメロディーや他パートのプレイを意識しつつも基本は裏拍で呼吸しているんですが、特にシンコペーション時はその呼吸のタイミングを歌い手に、もしくは特にギター、ベースと呼応するように意識しています。自分の中の呼吸ではなく歌い手や他パートの呼吸を意識することによりそのシンコペートした「間」が絶妙な揺れとなりバンドのグル―ヴになると思っています。文字通り息を合わせているんです。そういうわけでこの曲は実はテンポがだいぶ揺れているんですが、あまり違和感を感じないと思います。
この辺りのグル―ヴはアメリカのいわゆるグランジ、ローファイといわれたバンドが恐らく無意識でできているのですが、これも恐らく各メンバー参考にしつつも壊れかけのテープレコーダーズなりのグル―ヴになっていると思います。



shino
15歳というと中3〜高1の頃ですね。個人的な話ですが、一生懸命その頃のことを思い出そうとすると何だか目がチカチカしてきます。皆さんはどんな15歳をお過ごしでしたか?



yusa
この曲が一曲目なのが本当にすごく良い、キラキラしていて、何度きいてもわくわくしてきて、いてもたってもいられなくなる。 私のうたうパート「指折りに〜」のあとの間奏のところが好きで、いつだか、この曲をやりはじめたころのロフトバーステージでのライブでのここの場面のお客さんの感じを、今でも演奏のたびに思い出す。スローモーションで。ステージからみた最高だった光景のひとつ。ちなみに私もティーンのころかまちっ子でした。小森にあうまで山田かまち好きにあったことなかったので、勝手に黒歴史化されていた。購入場所はもちろんブックオフブックオフの値札が右上にとれかかって貼ってある山田かまちの大判本「青い炎」をもっているかつてのティーンエイジャーは、この世界に、私と小森のほかに何人くらいいるだろう!?



komori
1999年夏、僕がまだ中学生の頃の話、夏休みにキャンプに行きまして、そのキャンプ場の上空を飛行機が低空飛行で飛んで、それが物凄い轟音を巻き起こしたんですよ。ぐごお〜っていうね。もっと大げさな擬音語が似つかわしいのだけれど。で、時は1999年で、しかも夏でしょ、僕は瞬時に「世界の終わりが本当に訪れたんだ」と思いまして、まあ終わらなかったんだけどね。(笑)90年代子供だった自分にとってはノストラダムスの予言ってあながち嘘じゃないんじゃないか、という恐怖と好奇心がありましたね。まあ、外れたんですけどね(笑)。

それと大体時を同じくして、エレクトリックギターをはじめてでかいマーシャルのアンプに繋いでツマミをフルテンに回したら、物凄いでかい音が出て、僕はびっくりしましたね。ぐごお〜っていう。上記の飛行機のような、轟音がね。

そういうバックボーンから生まれた曲です。終幕は実は見せ掛けで、そこから聴こえてきたのは「はじまり」だった、と。というわけで、1曲目がふさわしいかな、と。

ちなみにこれ多分僕が14歳の時の体験で、15歳ではないという(笑)まあ、そこはどちらでもよいかなと。何もパーソナルな体験談をうたにしたいわけではないし。語呂的なものと、あとはこの頃大変影響を受けていた敬愛する山田かまちのオマージュですね、タイトルは。

ギターソロはJマスシスをイメージし弾きました。楽器の音が全体的にでかいミックスバランスがとても気に入ってます。